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交流回路のまとめ

ここまで、交流回路の基礎的な解析方法に関する説明が一通り終わりました。 ポイントとなる部分をここにまとめます。 また、理解を深めるために演習問題を解いてみましょう :)

抵抗、コイル、コンデンサの複素数表記

第11回 基本素子の交流回路で扱った、抵抗、コイル、コンデンサの電流の複素ベクトル表記と電圧V˙\dot{V}に対する位相差を以下にまとめます。

回路素子 電圧V˙\dot{V} 電流I˙\dot{I} I˙\dot{I}V˙\dot{V}の位相差 インピーダンスZ˙\dot{Z}
抵抗 RR V˙=RI˙\dot{V} = R\dot{I} I˙=V˙R\dot{I} = \frac{\dot{V}}{R} 同相 レジスタンス RR
コイル LL V˙=jωLI˙\dot{V} = j \omega L \dot{I} I˙=j1ωLV˙\dot{I} = -j \frac{1}{\omega L} \dot{V} 電流がπ2\frac{\pi}{2}遅れる 誘導性リアクタンス jωLj {\omega L}
コンデンサ CC V˙=j1ωCI˙\dot{V} = -j \frac{1}{\omega C}\dot{I} I˙=jωCV˙\dot{I} = j \omega C \dot{V} 電流がπ2\frac{\pi}{2}進む 容量性リアクタンス j1ωC-j \frac{1}{\omega C}

交流回路の解析手順

お勧めの交流回路の解析手順は以下のとおりで、交流回路でも基本的な考え方は直列回路と変わりません。 なお、Step 2 と Step 3 の順番は逆でも大丈夫です。 うまくできそうなほうを先にやりましょう。

Step 1. 交流電圧V˙\dot{V}と交流電流I˙\dot{I}のどちらかを基準として、そのほかの交流電圧V˙\dot{V}や交流電流I˙\dot{I}を求める。

Step 2. インピーダンスZ˙\dot{Z}を求める。

Step 3. それぞれのベクトルを描く。

Step 4. 共振の条件や電力を求める。

教科書で参考になる問題

  • 交流回路の解析の問題: P.179~ 演習問題 8.7, 8.8, 8.10, 8.11, 8.12, 8.13, 8.14, 8.15, 8.16
  • 交流回路の電力の問題: P.198~ 演習問題 8.17, 8.18, 8.19

参考書1で参考になる問題

  • 交流回路の解析の問題: P.82~ 例題 7.1~7.5, P.95 演習問題 7.1~7.10
  • 交流回路の電力の問題: P.101~ 例題 8.1~8.2, P.104 演習問題 8.1~8.7